この研究では, 魚類などの屈曲形の運動を, 以下の図1のように3関節の平板の連なりに単純化してその原理を探ろうとしました.
この概念モデルを特異点分布法により解くため,さらに以下の図2のように 近似しました.
すなわち,機構の厚さは無視し,機構上に白○で示される 束縛渦Γbv を配置し,やはり機構上に設けられた×印のコントロールポイント での境界条件を満たすようにΓbvが決定されます. また機構後縁からは放出渦Γsvを放出させます. このモデル図は二次元の場合ですが,三次元の場合についても 同様に定式化できます. さらに,機構自身の運動方程式を,機構に加わる流体力をも考慮して 解きます.すなわち機構・流体の連成系を解くことになります. この解析法により,各関節にさまざまな運動をさせたときの, 機構の推進速度や推進効率などの特性を検討しました. 詳細は下記文献をご覧下さい.
また,このモデルについて実験も行いました. 以下の図3,4に示されるような小型の実機を製作し, 回流水槽中で運動させ,推進速度を測定しました.
理論解析結果と実験結果は定性的には同様の傾向を示し, 三次元解析では定量的にも比較的良く一致しました. 詳しくは文献をご覧下さい.